予算繰り越し、巨額な補正予算の行方
予算繰り越し、巨額な補正予算の行方
驚くなかれ、2020年度内に使いきれずに、2021年度に繰り越された繰越金はなんと30.8兆円。
繰越金の内訳をみると、
・コロナ禍で打撃を受けた企業向けの実質無利子・無担保融資制度
・休業要請に応じた飲食店などへの協力金に充てる地方向けの臨時交付金
・観光支援策「GoToトラベル」等
日本政府の支援はハッキリ申し上げて遅すぎる。
では、なぜ遅いのか?
遅すぎる理由
支援策の支給が遅れてる理由は審査時間である。
持続化給付金での詐欺事件があった影響を受け、最近始まった一時支援金や月次支援金の支給は大幅に遅れてる。飲食店等の休業に伴う協力金も同様だ。
私が考えるスピーディーな対等とは、
コロナ影響を受けてない年の決算書から売上高をそのまま事業者に支払い、翌年の確定申告で支給額を超える売上高を対象に税金で徴収するという手法だ。
内部留保できない仕組みにしてしまえば、企業は入ってきたお金を社員への教育、設備投資に積極的に投資することで景気が上向き易い。
飲食店の閉店は他人事で無い
運転資金が枯渇すると、事業者は身動きが取れない状況になる。
思考も停止に陥り、身体的精神的に追い込まれていく。
1店舗の飲食店が閉店するだけで仕入先や不動産大家、従業員等、経済ダメージは多岐にわたる。
日本人特有の自己責任論でこの問題を放置し過ぎた結果、この30年間デフレから一向に回復しない。
牛丼並盛350円に慣れ過ぎてる私たち日本人はこの金銭感覚から脱却しなければ、物価の上昇や賃金の上昇は実現しないだろう。
巨額の繰越金の行方は?
政府は年内の衆院選を視野に入れて、秋にも補正予算編成を行い、巨額の経済対策を打ち出す可能性が高まっている。
30兆円規模の繰越金の遣い道は、
2020年に実施された特別定額給付金の再支給もあり得るが、自治体のワクチン接種業務と並行で実施するのは困難だと推測できる。
住民基本台帳ベースで個別で郵送するアナログ手法が業務を圧迫するのは当然だ。
Go to トラベル、Go to イベント、Go toイート等の消費者還元型の再交付が可能性として高い。
協力金、支援金の支給目途
ワクチン接種率にもよると思うが、今年度いっぱい(令和4年3月)限りの可能性が高い。
何故なら、政府はプライマリーバランス(財政収支)の黒字化に拘っており、支出を抑えたがる傾向がある。
令和4年度からはこれまでコロナ対策で支出したお金の回収(税金等)に注力するだろう。
オリンピックインバウンド需要の恩恵を受けられなかった事業者をさらに追い込むことになるのでは無いかと筆者は危惧してる。